整備手帳 by Zenjiro

20歳の大学生が車とバイクをいじるだけ。

アフィカスに騙されるな!10万円じゃ儲からん!

この記事はFXや株式購入といった投資行為の実践法を紹介するものではありません。

書き起こしたきっかけはタイトルから想像される通り特別定額給付金です。この10万円の使い道の一つにおそらく「なんとなく投資を始めてみようかな」といった考えが浮かぶ方もいるでしょう。

 

・・・その考えにつけこむアフィブログが私はどうしても許せない!のです。

給付が追い付けば当然その手の記事の注目度は高まり、甘い言葉で人を騙したような記事だの動画やらが溢れかえります。

その前に、せめてこのブログを読んでいただける方にはその魔の手を掻い潜ってほしい。その一心でキーを叩いております。

もしもこの記事を読んでいるあなたが10万円で投資をしようかな、と1%でも考えているのならば、下記の目次から結論だけでも目を通していただけることを願っています。

 

 

本記事における「投資」の定義

特に金融における投資とは、ハンムラビ法典から始まる歴史があり、現在も国家から個人まで様々な規模で行われている活動です。

本記事で扱う投資も、当然資本を対象に投下する基本的な金融投資に他なりません。しかし、その中でも特に投機的性格を持つものについて扱っていきます。投機的性格、という表現に留めたのはあくまで投機ではなく投資、ということです。

一応、この時点でご自分の中において投資と投機の線引きが出来ていない方は、

投資長期的に高い確率で資産を増やす行為

投機短期的にリスクを抱えながら資産を増やす行為

 このように考えていただければ結構です。

 

投資の実際的価値

お恥ずかしながら、私は「大学生にしては」という注釈が付くものの多くのお金を投資に費やしてきた身であります。8ケタ…は流石にいかないまでも7ケタは確実でしょう。参考程度に、今まで行った投資行為を軽く紹介しておきます。

 

①FX

これは完全に投機ではありますが、二年目では自動売買を基本とし裁量売買と切り替えながらリスクを許容できる範囲まで低くして運用していました。一応、自分の中では投資…のつもりです。

2018年の夏頃にとりあえず30万円でエントリー、ビギナーズラックを遺憾無く発揮し50万円まで伸ばして一度出金。

その後再び30万円でエントリーし全く同じ運用をして僅か1ヶ月で退場しました。

この一年目では、完全裁量売買でテクニカル分析という宗教に入信しておりました。個人的に、テクニカル分析を用いたFX運用は投機、というかギャンブルに片足を突っ込んでいると考えています。あのような運用というのは、嫌でも感情を相場に反映してしまうものです。チャートに取りつかれ一日20時間はスマホを監視する生活でまともな運用ができるはずありません。

そして19年の夏頃、50万円用意し再び入場です。宗教からは逃げ出し、次は機械の利用とリスクヘッジの基本をこれでもか、という程に意識して運用しました。

そして今年の2月、コロナ騒ぎの相場に嫌な気配を感じ出金しました。おおよそ半年程運用して、焦げることもなくリターンは月平均2~3万円程度でしょうか。まあ、これでも上手くやった方だと思っています。

 

②仮想通貨

世界的にブームが巻き起こった2017~18年において、仮想通貨というのは投機的側面が強すぎるコンテンツでありました。法定通貨を超える存在として注目を浴びたが故に、「価値が高まるからみんな買う。みんな買った結果価値が高まる」というバブル市場だったのです。私もこのビッグウェーブに乗り、見事溺死した切ない思い出があります。

そして同じく18年、世界的ニュースとなったNEM流出が起こり、ブロックチェーン技術に対する不信感からバブルは瞬く間に弾けました。バブル期のような爆発力はなくなり巷では「仮想通貨はオワコン」という声もちらほら聞こえます。

しかし、私は初心者ながら、昨年の秋口にビットコイン200万円程買い増したばかりです。2020年はBTC三度目の半減期であり十分に需要が見込めました。今後も右肩上がりで堅調と見込まれています。皮肉にもバブルが終わった今、当時のような価格の振り幅は身を潜め、仮想通貨は投資的側面を強めているのです。

今後どうなるかはFacebookが今年発行予定のリブラコイン次第な気がしています。つまり目先のリターンが見込めるのは早くて半年後でしょうか。ま、意地と狂気のガチホなので簡単には手放しませんけどね^^

 

③株式

私が行った投資の中で最も資産と時間をつぎ込んだのが株式投資です。長期保有と短期保有を明確に分けた銘柄選びをしていました。

長期保有株はほとんどが米国株です。AppleAmazon、P&Gあたりは寝てても儲かります。適当に積立投資していたのでおおよそですが、長期部門では二年で50万円が80万円になっていました。おいしい。

一方短期保有株はほとんどが日本のソシャゲ株です。無論当たり外れがあり、5万円が二か月で30万円になった銘柄があれば50万円が三週間で半額になった銘柄もあります。まあ、IRの分析から市場を逆行する快感に憑りつかれていた部分もあるので、これは投機でしょう。収益をそのままFX等にスライドしていましたが、短期部門では益210万損200万のほぼトントンくらいな気がします。

 

④投資全体

これらの他にもジジ臭く積立NISAなどちょこちょこ行っていますが、話がややこしくなるのでここまでとします。そして投資全体の収支を一度まとめます。

①FX

一年目(ハイリスク・ハイリターン

-10万円

二年目(ローリスク・ローリターン

+15万円

②仮想通貨

バブル期(ハイリスク・ハイリターン

-5万円

バブル崩壊後(ローリスク・?リターン

+10万円程度(希望的観測)

株式投資

短期保有ハイリスク・ハイリターン

+10万円

長期保有ローリスク・ローリターン

+30万円

 

計)+50万円程度

 

所詮こんなものです。流動性はあるものの、二年間トータルで300~400万円程かけてリスクのある投資もしてきました。自分の選択を後悔し、必死で働いて稼いだお金が乱高下するチャートに弄ばれる光景に泣きながら吐いた記憶もあります。そして得たのはボロボロの軽自動車を中古で買えるか買えないか程度の額にすぎません。果たして、この50万円は本当に成功した投資の結果と呼べるのでしょうか

 

大学生が行う投資の限界

 結論の前に、本質を整理しておきます。

 

金持ちがさらに金持ちになる

投資の三原則をご存知でしょうか。長期投資・積立投資・分散投資です。この三つを完璧に守れば投資のリスクは限りなく0に近付きます。

しかしこの三原則を完璧に守るのは極めて難しいのです。これらを万全に行うには潤沢な資金が必要だからです。

長期投資には、現金化しなくても食っていける資金が必要。積立投資には、定期的に投資できる資金が必要。分散投資には、様々な資産に投資できる資金が必要。とにかく投資で確実に儲かるにはまずお金が必要なのです。

個人的に、50万円が一つの壁な気がします。FXにしても、株を買うにしても、まともな運用をして小銭を稼ぐには50万円程度は最初に準備する必要があるでしょう。学生にとって50万円なんて大金、貯めるため必死の労働と必死の節約が必要ですけどね。

 

投資法の二分類と大学生の選択

投資法には大きく二種類あります。分かり易く言うと、「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」となります。そして上記の通り、どんなコンテンツにもその二通りの投資法が様々に存在するのです。

そして、大学生が持つ資金、本記事のテーマに沿えばたった10万円で短期間にまとまった儲けを出すには「ハイリスク・ハイリターン」に頼らざるを得ないのです。

先程投資の三原則を確認しましたが、無論その三原則全てに背いているのがハイリスク・ハイリターンの手法です。

当然、長い期間で少額の儲けを許容できるのであれば「ローリスク・ローリターン」の手法が採用できます。しかし人間は欲深い生き物でして、ましてや「国から貰った無償の10万円で更に儲けてやろう」といった考えから投資を始める方がハイリターン」に惹かれない訳がありません。

 

ハイリスク・ハイリターンの末路

結果として、私がそうであった様に投資の始めは「ハイリスク・ハイリターン」の手法を取りがちとなりますが、これは必ず失敗します

理由①

ハイリスクである以上、いつかは大きな負けが来ます。これは、「それまで儲かるならいいじゃん」という話ではなく、例え20万30万儲けようと60万負けるまで辞めないのが初心者なのです。これはギャンブルにも通じていますね。ハイリスクハイリターン投機=ギャンブルくらいに私は考えています。

理由②

学生の資金力は大変儚いものです。社会人であれば、コケた後に倍プッシュする行為が現実的に可能ですが、学生はそれができません。60万負けてそこで終了です。

結果として①いつか大きい損が来る→②損に対処できないために「ハイリスク・ハイリターン」な投資法は学生においてはほぼ確実に失敗します。①が来る前に辞められるようなタイプの人間はそもそも投資なんかせず貯金しているのが世の常です。

そうして10万円は市場に溶けてゆくのです。相場の見えざる手とアフィカスの魔の手によって・・・

 

ローリスク・ローリターン投資を10万円で行う

10万円でローリスク・ローリターンの手法を採用した投資をすると仮定して、どの程度儲かるのか試算してみましょう。

行う投資は、三原則をキッチリと守るものとします。具体的には、長期(10年間)積立(10万円÷120ヶ月=毎月833円)分散(先進国株式と先進国国債)※1です。

例として2009年〜2019年の10年間に投資を行った場合を想定してみます。

結果をわかり易く、大雑把に言うと株式は183%国債116%に伸びます。株式に8割、国債に2割投資した場合、10万円は10年かけてようやく66400+3200=69600円の利益を生み出すのです。

しかし、これはあくまで過去のデータを参照した場合です。もちろんリスクを最大限減らし、トータルで損になる事は99%あり得ませんが、それでも銀行金利の低リスクには勝てません。また、この資産では毎月833円積み立てる、としていますが、当然証券会社によっては振込手数料や振込の最低額が規定されている場合があります。

何が言いたいかと言うと、「10年間で、リスクが確実に無い訳ではなく、入金前後の手数料を許容した上で得られる」という注釈がついた7万円にあなたは魅力を感じますか?という話です。学生が投資を始める原動力は今すぐ手に入る現金なのでは?

 

 

 

結論

・10万円で儲けようとしてもそのうち全額溶かしておしまい!投資で安全に儲かりたいなら50万円自分で貯金してから始めろ!

 

・きっちり長期投資できる人でも、10万円程度では儲けは雀の涙!少額運用と低リスク投資の相性はそこまでよくない!

 

・雀の涙にするくらいなら10万円で今すぐ食洗機と乾燥機と中華ルンバを買って家事を浮かせた時間でバイトした方が圧倒的に儲かる!

 

・それでも投資したいならレバレッジの類には一切手を出すな!全損どころかただの借金生活だ!リボ払いより悲惨だぞ!

 

・ところで皆さんモンテカルロ法ってご存知ですか?今ならオンラインカジノで確実に儲かる方法をお教えします!必勝法をまとめた記事を特別価格で公開中!今なら永久購読権がなんと10万円で買えちゃいます!僕と一緒に「儲かる側」へ来ませんか?これぞ正しく賢い10万円の使い方で…

 

~Fin~

 

 

 

※1:分散投資の本義とは異なりますが、今回は簡単な例として少々間違った分散投資の使い方をしています。ご了承ください。